ハラベ・デ・パロ



音楽

PUENTEFUENTE2005年5月

音 楽と踊りはいつもいいなあ、と思います。この二つの芸術は、他の芸術分野の中でも、極めて大衆的であり、原始的であります。音楽は日常生活の至る所に存在 していることは明確ですが、さらにその他の芸術のひとつひとつとも密着していることも注目されます。小説、詩、彫刻、絵画、劇、写真、映画、ダンスなどの 空間芸術など、音のない芸術があるでしょうか。もう何年も前のことになりますが、パリのとある小さな石造りの古い教会で、パイプ・オルガンの演習に立ち会 うすばらしい機会がありました。大きなたくさんのパイプから流れてくる音楽は、ひとつひとつ音が分散しては、空中に自由に舞い上がり、時には教会の丸天井 にぶつかっては跳ね返り、分散したものが集合しては、ひとつの空間を作り上げるという劇のように音が見えたと言う感動がありました。これも何年もの前のこ とですが、ずっと音楽に捧げる友人たちが、住宅商店街の中にあるリハーサルのスタジオに招いてくれ、スタジオの分厚い扉を閉めるだけで、外にまったく音が 漏れないことにびっくりした後、その閉ざされた空間の中、ギターやベース、ドラム、パーカッション、ボーカルの音の結集・凝縮された音の渦の中に埋もれ、 体全体で音に触れると言うような心地よさを感じたものです。音楽と踊りは理性なしに感性のみで感じられると言うことが、魅力のひとつなのかもしれません。

目次

ハラベ・デ・パロ 歩み

ハラベ・デ・パロ 詩 ラ・フラカ、 詩人になりたい、一平方メートル

ディスコグラフィ

ハラベ・デ・パロ 2005年コンサートツアー

ハラベ・デ・パロ パウ・ドネスへの質問と返答


ハラベ・デ・パロ 歩み

メンバーはアレックス・テナス(ドラム)、ジョルディ・メナ(ギター)、マリア・ロッチ(ベース)、ダニエル・フォルカーダ(パーカッション)、トニー・サイジ(_)、そしてボーカルと作詞作曲担当のリーダー、パウ・ドネス。

     1966年アラゴン生まれ、バルセローナ育ちのリーダー・パウ・ドネスは15歳 から音楽活動をはじめ、弟のマルクとバンドを組み、後にはデンタデゥーラス・ポスティサス(入れ歯)と名前を変え、広告会社で働く傍らバルセローナの小さ なホールにてコンサート活動をしていました。キューバに旅した際に、島独特のリズムや味と雰囲気をかもし出す女性に出会って着想を得たのが1996年にデビュー・アルバムタイトル曲となった『ラ・フラカ』で、アルバムをリリースした後このタイトル曲は空前の大ヒットを飛ばし、翌夏のサマー・ソングにまでなりました。

     デビュー・アルバムの大ヒットの後、各地での大喝采のコンサートツアーの後、1998年には2枚目のアルバム[DEPENDE](成り行き次第)を発表します。アルバム・プロデューサーJOE DWORNIAKは、ロンドンのムッディ・スタジオにハラベ・デ・パロを率いて2ヶ月間でレコーディングをします。参加 ミュージシャンは、スペインの人気実力フラメンコ・ポップス・トリオのケタマ。このアルバムは、キューバ伝統ソンおよびラテンのソンやフラメンコとロック を混ぜ合わせたもので巧みな風刺的抒情詩にあふれ、スペインや中南米の音楽ファンのみならずイタリアにおいても聴衆に受け入れられ、発表から一ヶ月足らず で、約50万枚まで売れる結果となりました。

      2001年にはロックとフラメンコ・ポップスのミックス音楽の集成[DE VUELTA y VUELTA](回って回って)をリリースします。参加ミュージシャンは、スペインのアントニオ・ベガ、イタリアのジョバノッティ、メレンゲ・ラップのヴィーコ・Pなど。前アルバムと同様、スペイン、ラテンアメリカ、イタリアに加えてフランスでも売れます。

     2003年、4枚目のアルバムBONITO(素敵滅法)を発表。この制作にあたり、パウは、バンドメンバーとフォルメンテーラのスタジオに閉じこもり、実証主義を主体とした歌を書き上げます。参加ミュージシャンは、フラメンコ歌手のマルティーネス・デル・コンパスやエレナ・アンデュハル、友人のジョバッノッティ。

     2004年の秋、最新アルバム1M2(一平方メートル)を披露するコン サート・ツアーを発表。アルバムへの参加ミュージシャンは、ボレロ、グアラチャ、ソン、タンゴ、サルサ、バラーダを歌いこなすキューバ出身のルクレシア、 ウォルター・サレス監督の「モーターサイクル・ダイアリーズ」のテーマ曲で、2005年オスカー最優秀主題歌賞受賞曲・『AL OTRO LADO DEL RIO』(川の向こう側)の作者ホルへ・ドレスレールなど。またCry (If you don’t mind)では、ザ・プリテンダーズのボーカルのクリッシー・ハインドとのヴォーカル・ミックスも。

     このようにして、ハラベ・デ・パロ は、常にアルバムを売り、音楽賞を受賞し、独特なるビデオクリップを制作しては絶賛され、グラミー賞にもノミネートされ、イタリア語や英語のテーマも歌 い、キューバのソンのラ・ビエッハ・トロバ・サンティアゲラ、アントニオ・ベガ、ケタマ、ビーコ・P、〔女王〕セリア・クルスなど様々なアーチストたちとセッションしたり、ペレットの音 楽界での存在を正当主張するために捧げたアルバムを発表、またリッキー・マルティンに曲を提供したり、彼らのビデオ・クリップ『ボニート』から着想を借用 したアラニス・モリセットのビデオ・クリップ「エヴリシング」にもパウが登場するなどといった様々な活動をしながらも、一貫した独自の曲作りにつとめて躍 進するスペインのバンドです。

公式サイト(英語とスペイン語) www.jarabedepalo.com 音も聴けます。

ハラベ・デ・パロの詩

ラ・フラカ 

一度だけラ・フラカそっくりの女にあった

ラ・ハバナの黒珊瑚礁 途方もないムラート

100硬貨の皮と骨 40キロのサルサ

二つの輝く瞳の顔は言葉無しに語る

空腹をだませるからと、ラ・フラカは昼に寝て、

夜になれば外に出て、酒場で踊りはじめる

 踊り踊って、飲んでは飲んで

ビールの後にまたビール 

でも絶対に太らない

でも決して太らない

ラ・フラカのキスのためなら

どんなことだってしてみせる

彼女のキスがもらえるなら

たった一度だけでもいいから

歌のように 白いシーツを涙でぬらした

最初の日の肌のぬくもりを思い出しながら

彼女のそばで眠りたい思いで気を狂わせる

そうなんだ、なんてことなんだ、このフラカに夢中なんだ

おおおぅ、そうなのさ、めちゃ惚れなのさ

ラ・フラカのキスのためなら   

どんなことだってできるさ

彼女のキスがもらえるなら

たった一度だけでも

ラ・フラカのキスのためなら

どんなことだってしてみせる

彼女のキスがもらえるなら

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

たった一度だけでもいいんだ

アルバム『ラ・フラカ』1996

詩人になりたい


火傷をしないで

太陽の上をどうしたら歩けるのかを覚えた

火がつくと言われるほどの熱さを感じず

太陽を抱きしめた

君に会うためだけに

風に乗って飛ぶことだって覚えた

君がどんなに遠くに居ようとも

あとで君を迎えに来るよ、だれもしらない

詩人になりたい

面と向かって伝えたい

君を愛してる ちょっと

いや 狂ったほどにのほうが合っている

詩人になりたい

面と向かってすがりたい

ほんの少し一緒に居てくれ

いや ずっと一緒に居て欲しい

君は僕を臆病にさせる かなしい

悲しい せつない 悲しい

一日毎にちょっとだけもっと君を愛することを覚えた

一日毎にちょっとずつもっと君を忘れることを覚えた

悲しい せつない 悲しい

アルバム『ラ・フラカ』1996

一平方メートル

そこで消えてしまえる そこで何もせずに

法律も首相もない

そこで何でも出来る

心地よく感じれる一平方メートル

一平方メートル ひとりの男とひとりの女

一平方メートル 愛さなくなるため

ここで座っているよ

待ってるよ 万が一のために

突然君がやってきて 僕のそばに座るのさ

心地よく感じれる一平方メートル

ここで座っているよ

待ってるよ 万が一のために

君の気が変わる時のために

君がやってくる時のために

心地よく感じれる一平方メートル

心地よい一平方メートル

一平方メートル 独りか 君と一緒に

一平方メートル 自由になるため

一平方メートル 君に惚れるため

君のための居場所がある

僕のそばに居るために

君をまた愛すための

君を微笑ますための

一平方メートル君のため、僕のため

君のための居場所がある

僕のそばに居るために

幅100センチの

君を幸せにするための

一平方メートル君のため、僕のため

一平方メートル 万が一のために僕は動かない

アルバム『1M2』から『一平方メートル』 


ハラベ・デ・パロ ディスコグラフィ

1996 『ラ・フラカ』

1.QUIERO SER POETA 詩人になりたい

2.VUELA 舞い上がれ

3.NO SUELO COMPARARME たいてい誰とも比べたりしない

4.LA FLACA ラ・フラカ

5.GRITA 叫べ

6.EL BOSQUE DE PALO パロの森

7.EL LADO OSCURO 暗い局面

8.QUITAME LA VIDA 僕の命をとってくれ

9.DUENO DE MI SILENCIO 僕の沈黙の主になる

10.DESAMOR つれなさ

11.LA FLACA ACUSTICA ラ・フラカ・アコースティック・バージョン

1998 『DEPENDE』 成り行き次第

1.DEPENDE 成り行き次第

2.PURA SANGRE 純血筋

3.TE MIRO Y TIEMBRO 君を見ると、震える

4.PLAZA DE LAS PALMERAS やしの木の広場

5.REALIDAD O SUENO 現実と夢

6.AGUA 水

7.PERRO APALEADO 打ちのめされた犬

8.VIVO EN SACO 袋の中に生きている

9.TOCA MI CANCION 僕の好きな歌を弾いてくれ

10.DUERME CONMIGO 一緒に眠ろう

11.VIVE Y DEJA VIVIR 生きろそしてとまれ

12.MI MUNDO EN TU MANO 僕の世界は君の手のひらにある

13.ADIOS さよなら

2001 『DE VUELTA Y VUELTA』 まわってまわって

1.DE VUELTA Y VUELTA まわってまわって

2.TIEMPO 時       (特別協力アーティスト ジョバノッティ、ヴィーコ・C) 

3.EN LO PURO NO HAY FUTURO 純血種には未来はない

4.DOS DIAS EN LA VIDA 人生の中の二日間

5.LA LUZ DE TU CORAZON 君の心の灯火

6.COMPLETO INCOMPLETO 完璧と不完璧な僕 (特別協力アーティスト アントニオ・ベガ) 

7.CARA DE AZUL 青色の顔

8.AGUSTITO CON LA VIDA 心地よい人生

9.DE LOS LIBROS NO SE APRENDE 本から学べないもの

10.VIAJE PARA LOCOS 狂人のための旅

11.MAMA ママ

2003 『BONITO』 ボニート 素敵滅法

1.INTRO イントロ

2.YIN YAN 陰と陽

3.BONITO ボニート素敵滅法

4.AUN NO ME TOCA まだそんな時期じゃない

5.NO SE ESTAR ENAMORADO 恋が出来ない

6.MIRA COMO VIENE ほら、見てごらん

7.CAMBIAR LA PIEL 生活をかえる

8.BAILAR 踊ろう

9.EN CONEXION 連結

10.TIJUANA ティフアーナ

11.COMO PECES EN EL AGUA 水を得た魚

12.PALABRAS QUE SE ESCONDEN 隠された言葉

13.CAMINO 道

14.EMOCIONES 感動

15.CORAZON こころ

2004 1M2 1平方メートル

1.1M2 1平方メートル

2.ROMEO Y JULIETA (NO ERAN DE ESTE PLANETA) ロメオとジュリエット(はこの惑星の者ではなかった)

3.DICEN  そう言われているけれど...

4.MI DIARIO PERSONAL 僕の個人日記

5.QUE BUENO, QUE BUENO いいなあ、いいなあ

6.EL CAFE DE LA MORENA 褐色のコーヒー

7.MENOS QUE UN AMOR MAS QUE UN AMIGO 愛には届かず友だち以上

8.LAS MUJERES NO ESCRIBEN CANCIONES 女たちは歌を書かない

9.ENTRE LAS BARCAS 小船と小船の狭間

10.SALE A LA ESCENA 舞台に飛び出せ

11.CRAY IF YOU DONT MIND 

協力アーティスト ホルへ・ドレスレール、ルクレシア、クリッシー・ハインド

2005年ハラベ・デ・パロ 1M2 コンサートツアー

2005年5月11日(水)  ベルン(スイス) BIERHUBELI

     5月12日(木)  ケルン(ドイツ) 

     5月13日(金)  ベルリン(ドイツ) 

     5月14日(土)  キール(ドイツ) 

     5月15日(日)  ハンブルク(ドイツ) 

     5月17日(火)  ロッテルダム(オランダ)

     5月18日(水)  アムステルダム(オランダ)

     5月21日(土)  パリ(フランス)

     5月27日(金)  コルネージャ・デ・ジョブレガッ(スペイン・バルセローナ)

     5月28日(土)  エージン(スペイン・アルバセテ)

     6月4日(土)   オルタレサ・フェスティバル(スペイン・マドリード)

     6月11日(土)  ハベア(スペイン・アリカンテ)

     6月18日(土)  ビルバオ(スペイン・パイスバスコ・ビルバオ)

     6月23日(木)  エンカンプ(アンドラ国)

     7月2日(土)  ビーゴ(スペイン・ガリシア)

     7月8日(金)   ラ・パルマ(スペイン・カナリア諸島)

     7月9日(土)   ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア(スペイン・カナリア諸島)

     7月10日(日)  メディアティック・フェスティバル(スペイン・アリカンテ)

     7月15日(金)  オリーバ(スペイン・バレンシア)

     7月16日(土)  グラネン(スペイン・ウエスカ)

     7月22日(金) コジャード・ビジャルバ(スペイン・マドリード)

     7月23日(土)  ノベルダ(スペイン・アリカンテ)

     8月6日(土)   アラメダ・デ・ラ・サグラ(スペイン・トレド)

     8月7日(日)   ビトリア(スペイン・パイスバスコ)

     8月9日(火)  アルヘス(スペイン・トレド)

     8月13日(土)  サン・マテオ・デ・ガジェゴ(スペイン・サラゴサ)

     8月15日(月)  モンフォルテ・デ・レモス(スペイン・ガリシア・ルーゴ)

     8月19日(金)  ドノスティ(スペイン・パイスバスコ・ギブスコア)

     8月20日(土)  サンクレメンテ(スペイン・クエンカ)

     8月21日(日)   シウダー・レアル(スペイン・カスティージャ・ラ・マンチャ)

     8月26日(金)  ジョディオ(スペイン・パイスバスコ・ビルバオ)

     9月3日(土)   サン・アンドレウ・デ・ラ・バルカ(スペイン・バルセローナ)

     9月10日(土)  ギア・デ・イソーラ(スペイン・カナリア諸島・テネリッフェ)

ハラベ・デ・パロ パウ・ドネスへの質問と返答

2003年3月21日デジタル・エル・ムンド 出会いから抜粋


パウ・ドネスと彼のバンドは音楽と詩を日常生活に密着させることに固執する。4枚目のアルバム『ボニート』の曲作りにおいてはロックとラテン音楽またはアフリカ音楽という文化的根本の違うものを混合することを基本とした独自の音楽を作ることに焦点を当てた。

この質問と返答は、ネット上で行われたもので、質問は世界中からネットで寄せられたものです。

è どのような理由でロス・チチョスの歌を歌う気になったのですか。フラメンコ音楽は好きなの。

僕にとってはロス・チチョスは伝説的な存在で、このプロジェクトに参加できたことは、とても光栄なことだった。それに彼らとのセッションほど素晴らしかったことは、今までにはなかったんだ。

è誰に〔棒たたきのやき薬〕(ハラベ・デ・パロ)を与えたらいいかな。

何人かはいるね。でも、今日においては世界を変えるために、爆弾を落とす以外の別の方法があるということを確信してる全ての人々に捧げたい。

èパウ、この新しいアルバムはどんなものですか。

素敵滅法。スペインにいるのが心地よいと言うことを要求するために、僕たちは肯定的志向のアルバムを作りたかったんだ。

è君のお母さんのテーマの歌を聞いて、涙を流したんだ。僕の母は生きてるけれど、でも死ぬ瞬間を想像して。悲しみを共感出来たことにありがとう。

どんな悲劇からでも肯定的な解読をすることが可能なんだよね。「ママ」という歌はまったくそれ自体を語っている。「ママ」は人生の詩歌なんだ。

èイラク戦争に関してはどんな意見があるかい。

戦 争は、全然心地よいものではない。理由がないものを証明しようとして人を騙すのは、心地よくない。この戦争の責任者となった4千万人のスペイン人の一人と して、朝目が覚めると、その瞬間に何人ものイラク人が死んでるかと思うと、まったく心地よくない。でもこの悲劇を目前に、肯定的な行動をしようと思うん だ。何か肯定的なものをこのすぺてのインチキ劇から得なければならない。

è本当に今まで、まったく本を読んだことがないのか。

ううん、でも8冊以上は読んでないと思う、いや10冊かな。

èオラ(HOLA こんちわ)、パウ、君の作る歌は、商業的に傾いてきてると思うかい、または前のように君の実生活の中で出会うミューズたちに導かれてるのかな。そうだ、髪の毛が長い方がかっこいいから、切らない方がいいよ。愛情を込めて。

僕は僕のために歌を作るし、他の人たちは商売にする。それだから、聴く人は僕の送りたいメッセージを受け取るのさ。だから愉快なのさ。でも、ハラベ・デ・パロはヒット曲を作る機械じゃないということを強調するな。聴く人々がヒットさせるわけだ。

èどうして素敵滅法なの

僕たちは素敵な世界に素敵な人々と生きてるけれど、でも、その人たちのために戦うことに価値があると思うんだ。(爆弾といった他の武器とはまったく違うと言うことは明確だけど。)

èオラ、パウ。まずは君の作品の成功に、おめでとう。ここ何年かの作品に政治と文化の観念をあまりにゴチャ混ぜしてると思わないかい。

政 治は分裂するけど、音楽は集結する。文化の世界において公人と呼ばれる名の知れた人たちが、公人としてではなく世界の中で生きている一人の人間と言う立場 から感じること、考えてる個人の立場からの意見を表明することはよいことだと思う。もし何か言いたいならどんな人だって発言すべきだ。

è戦争は不愉快だ 悲劇の前に 肯定的な行動 ちょっと反応が簡素だと思わないかい。

君が僕の戦争に対する反応を気に入らなかったのは残念だけれど、でも僕の言いたい主旨を理解してくれたらいいな。

èどうして、素敵滅法とか、成り行き次第といったタイトルを歌につけたのか知りたいな。

それは作詞の表現法と関わりがあって書くスタイルだね。他の音楽と同じで、作詞をするときに何か表現したいように、ラテン・ロックにおいてもいえる事で詩的な記号信号が規則になってるからだな。

èどうして君の音楽が、購買力のある若者たちだけに受け入れられたと思うかな。ありがとう。

どこからそんなたわ言が出てるのか詳しい情報を送ってくれるかい。世の中にはそんなに購買力のある若者がいるなんて知らなかった。将来のためによく考慮に入れておくつもりだ。

èオラ、パウ。スペイン国内のどのバンドに一番影響を受けたの。家ではどんなタイプの音楽を聴くのかな。

アントニオ・ベガ、エル・ウルティモ・デ・ラ・フイラ、ロキージョ、ロス・トログロディータス、ゴルペ・デ・バッホス、ロス・イレガレスなど。ここの所聴いてるのはジャズ、特にブラジル音楽。でも音楽全般に好きだけれど。

è先日、テレビ番組「エル・ショー・デ・フロ」で観てたんだけど、ギターを抱えてたのに一度も弾かなかったのは、怠慢からなのか、それとも弾くなと釘を指されたからなの。

あれは、伴奏が流れてて、ボーカルだけ生だったからなんだ。

èオラ、パウ、元気かい。もしOTの若者たちが君の歌を歌うとしたらどう思う。OTについての意見を聞きたい。(オペラシオン・トゥリンフォ スペインの国営放送テレビ主催のコンクール番組で、歌手志願の若者たちが何ヶ月の間合宿所で踊りや歌のレッスンを受けるところを生放送する番組。視聴者の投 票によって一定期間ごとに脱落者が出て、優勝者は「ユーロ・ヴィジョン」という名のポピュラーヨーロッパ音楽祭にスペイン代表として出場。この番組はスペインでは空前なる高視聴率を得たものの、中堅歌手やミュージシャン、音楽関係者からは非難の声が高かった。)

僕は差別すること無しに、誰でもみんなが歌を歌うために作詞作曲する。OTは偉大なる商売であって、僕たちがやっていることとはまったく違うものだよ。

èイタリアで大成功してから、イタリア語を習得したのですか。

まだこれからやらなくちゃいけないことだけれど、いつの日か、腰をすえて学ぶ日が来ればいいけれど。でも、今の時点では僕の言うことを理解してるし、僕も彼らの言ってる事が解るけれど。

è君たちにとってビートルズからの影響は何なのかな。

他の世界中のどんな音楽グループにとってもそうだと思うんだけれど、ビートルズ、ボブ・マーリー、ローリング・ストーンズその他の偉大なるバンドから、決定的な影響を受けたと思う。

èコロンビアでの君たちのコンサートを覚えてるけれど、いつまた来るかな。

『まわってまわって』では行けなかったけれど、また今年行けるのをたのしみにしてる。

èオラ、僕はもう半世紀の年齢なんだけれど、今も君たちみたいな姿勢で音楽活動をしてるんだ。君たちのバンドはスンゴクいいよ。

ありがとう。イカシタ同僚。

è映画は好きかい。最後に見たのは何。

『シティ・オブ・ゴッド』(原題・「CIDADE DEDEUS」)。熱意を持ってお勧めするな。それから別に勧めれるなら、『ボーリング・フォー・コロンバイン』、オスカーを受賞するのを心底楽しみにしてるんだ。

è戦争反対または平和のための曲がもうあるのか、それとも今準備してるのかい。

『ボニート』は平和のための歌だね。

è僕にとってはジョバノッティは、精神が自由に開放されてて、よいミュージシャンの一人なんだけれど、どうして彼と制作することになったのかいきさつを聞かせて欲しい。彼のディスコの制作に参加したことがあるのかい。

ジョバノッティは偉大なる芸術家であり、ぼくの親友でもある。彼の最新作 IL QUINTO MONDO ではひとつの曲を一緒にレコーディングしたり、『ボニート』のイタリア語バージョンの編曲を依頼した。僕にとっても彼はお気に入りの音楽家の一人に入るね。

è君はセクシーだと思うかい。

超セクシー。でも悲しいのは僕だけそう思ってることかな。

èどうして、カタルーニャの出身なのに、カタランの曲が一曲もないの。

どうしてかといえば、僕たちカタルーニャ人は、全部で600万人だけれど、スペイン語で歌えば、沢山の人に聞いてもらえるでしょ。

         PUENTEFUENTE 2005年5月 ©翻訳 小田照美 ハラベ・デ・パロ

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